[メイン] GM : 準備できたかOCLO

[メイン] 綾波 : 教えるです

[メイン] 刻晴 : 何か特別な準備が必要かしら?

[メイン] GM :

[メイン] 綾波 :

[メイン] 刻晴 :

[メイン] GM : !?

[メイン] 刻晴 : 教えるわね

[メイン] GM : 出航だァあああ〜〜〜!!!

[メイン] 綾波 : 出航です

[メイン] 刻晴 : 出港よ!

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : いつも通りの日常を過ごしていた刻晴と綾波の元に、一通の手紙が届きます。

[メイン] GM : それは白く、厚手の、柔らかさを感じる紙で出来た封筒です、百合の模様の封蝋がされています。

[メイン] 綾波 : 「刻晴さん……手紙が1通届いているです」

[メイン] 刻晴 : 「ええ、今の仕事が終わったら目を通して……」

[メイン] 刻晴 : 「…って、私宛て…?」

[メイン] GM : 新雪のように真っ白なそれには自身の住所のみが書かれており、他には何も書いていません。

[メイン] GM : 中には、可愛らしい文字で描かれた、ほのかに甘い香りのする招待状が入っていました。

[メイン] 刻晴 : 「わざわざありがと、綾波…にしても、何の御用かしら」

[メイン] 綾波 : 「……」

[メイン] 綾波 : (招待状を興味深げに観察する)

[メイン] GM : 招待状には「喫茶White Lily 白百合のアフタヌーンティーにご予約頂き、誠にありがとうございます」と書かれていました。

[メイン] GM : 招待状の下の方には日時が記されており、それはもう数分後に迫っているようです。

[メイン] 刻晴 : 「……え?」

[メイン] 綾波 : 「喫茶white Lily……アフタヌーンティー……予約……」

[メイン] 綾波 : 「綾波は予約した覚えがないのですが……刻晴さんはどうです?」

[メイン] 刻晴 : 「ちょっと……私もよ、誰かが間違えて送ったのかしら…」

[メイン] 綾波 : 「下に予約日時が書いてあるです、えっと……」

[メイン] 綾波 : 「……」

[メイン] 綾波 : (壁に掛けられた時計を見る)

[メイン] 刻晴 : 「……今日じゃない!?」

[メイン] 綾波 : 「……しかも数分後、です」

[メイン] 刻晴 : 「……あぁ、もう……本来の届け先を突き止めたりする余裕はなさそうね」

[メイン] GM : そしてその時刻が訪れると
2人は突然眠気に襲われます。

[メイン] 綾波 : 「っ……」

[メイン] 刻晴 : 「……せめて、店の人に事情を説明して…」

[メイン] 刻晴 : 「…って……え…?」

[メイン] 綾波 : 「徹夜明けの疲労が来た、です……」

[メイン] 綾波 : 「もにゅすたーはんたーやりすぎたです……」

[メイン] GM : 2人は静かに、寝息を立て始めます

[メイン] 刻晴 : 「……だから、体調には気を使ってって普段あれほど…」

[メイン] 綾波 : 「すぅ……すぅ……」

[メイン] 刻晴 : (……っ……まずい、不覚を…)

[メイン] 刻晴 : 「………すぅ…」

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 2人は、頬を撫でる風と、香ばしい香りで目を覚まします

[メイン] GM : そこは、百合で飾られた、小さなお店の一角でした。おしゃれな木のテーブルに、クロスが敷かれて、それと同じ拵えの白いウッドチェアに、クッションが敷かれていて、二人はそこに腰掛けてうたた寝をしていたようです。

[メイン] 綾波 : 「…………」

[メイン] 綾波 : 「はっ」

[メイン] 刻晴 : 「………ぅ…」

[メイン] 綾波 : 「……おはようです、刻晴さん」

[メイン] 綾波 : (上目遣いで覗き込む)

[メイン] 綾波 : 「大丈夫です?」

[メイン] 刻晴 : 「……ええ、おはよう…っ!?」

[メイン] GM : 外は静かな街の模様が見えて、街中には穏やかな時が流れていて、ある種現実離れして見えます。幸せな夢でも見ているのだろうか、そんな夢心地のあなた方は、微かに軋む床の木と、軽い足音に目をやります。

[メイン] 刻晴 : 「……だ、大丈夫よ…」

[メイン] 刻晴 : (……びっくりした…近いのよ…)

[メイン] 綾波 : 「さっきまでとは違う所……よく分からないですが、とにかく落ち着く場所です」

[メイン] 綾波 : 「見てください、百合の花が綺麗に咲いているです」

[メイン] 刻晴 : 「え、ええ……」

[メイン] GM : 足音の先には、やや年若い女性がエプロンをつけて立っていました。

[メイン] 綾波 : 「……こんにちは、です?」

[メイン] ユージン : 「こんにちは。綾波様、刻晴様」

[メイン] 刻晴 : 「………。…あなたの仕業…ってわけ?」

[メイン] ユージン : 「この度は喫茶ホワイトリリィへご来店いただき、誠にありがとうございます」

[メイン] ユージン : 「本日は、心ゆくまで紅茶とお菓子をお楽しみくださいませ」

[メイン] 刻晴 : 「名乗ったりした覚えはないのだけれど……そう、あなたが私たちに手紙を送り込んだ張本人なのね。……何が目的?」

[メイン] ユージン : 「おふたりに安らかなひと時を過ごしていただくため、私が給仕を勤めさせて頂きます。短い間ではございますが、何卒よろしくお願い致します」

[メイン] ユージン : 「以上、こちらがメニューになります」

[メイン] 綾波 : 「あ、どうもです」

[メイン] 刻晴 : (……っ…。何よ、調子狂うわね…)

[メイン] 綾波 : (メニューを受け取る)

[メイン] ユージン : 店員は2人に茶色の革で装丁されたメニューを差し出してきます

[メイン] GM : 「TEA MENU
 Darjeeling
 Earl Grey
 Assam
 Ceylon Kandy」

[メイン] 刻晴 : 「ちょっと綾波、そんな素直に……」

[メイン] ユージン : 「何か分からないことがございましたら、お気軽にお申し付けください」

[メイン] 綾波 : 「店員さん良い人そうです、それに綾波紅茶とお菓子気になるです」

[メイン] 刻晴 : 「……まあ、そう言うなら…」

[メイン] 綾波 : 「メニュー一緒に見るです」

[メイン] 刻晴 : 「え?ちょっ…」

[メイン] 綾波 : (メニューをテーブルに広げ、椅子を近づける)

[メイン] ユージン : 「おっと、お伝えし忘れていました。本日に限り全商品が無料となっております。懐具合を気にせず、心ゆくまでお楽しみください」

[メイン] 綾波 : 「む、無料……!」

[メイン] 刻晴 : 「…………そう」
警戒心を露わにそっけなく返答する。

[メイン] 綾波 : 「kwitchのセールでお財布がかるかるな綾波には嬉しい響きです……!」

[メイン] 刻晴 : 「あ、あなたねぇ……」

[メイン] 刻晴 : (……でも、ここのところ仕事続きだったのは事実だし…たまにはこういうところで休息を取るのも……)

[メイン] 刻晴 : 「……あ、綾波はどれが食べたいの…?」

[メイン] 綾波 : 「…………」

[メイン] 綾波 : (様々な種類のケーキの名前を見て、目移りをしてしまう)

[メイン] 綾波 : 「…………な」

[メイン] 綾波 : 「悩むです……」

[メイン] 刻晴 : 「……うぅん」

[メイン] 綾波 : 「王道のイチゴショート、チョコレートも捨てがたいです……」

[メイン] 綾波 : 「モンブランというのも……」

[メイン] 刻晴 : 「構わないわ、気になったもの全部注文しちゃいなさい……一人前には多くても二人で分ければ食べ切れるでしょ」

[メイン] 綾波 : 「……!!」

[メイン] 綾波 : (目を輝かせる)

[メイン] 刻晴 : 「……っ…」

[メイン] 綾波 : 「そ、それならまずはりんごのタルトが食べたいのです」

[メイン] 刻晴 : 「……コホン!…ま、店の偵察も必要だし……味見も必要経費みたいなものでしょ」

[メイン] 刻晴 : 「……だそうよ、聞こえてるかしら」

[メイン] ユージン : 「おや、お飲み物はよろしいのですか?」

[メイン] 綾波 : 「あ、紅茶もでしたですね」

[メイン] 綾波 : 「綾波、紅茶ってどんな種類があるのか余り詳しくないのです。刻晴さんは詳しいです?」

[メイン] 刻晴 : 「あー…えっと、そうね…ダージリンは渋みと上品な味わいが特徴で、初心者にもおすすめしやすいわね。アールグレイも柑橘系の風味が爽やかで、お菓子に合う感じ。アッサムは甘みが強いから、甘いものが好きならおすすめしたいかも。セイロン・キャンディはオーソドックスな味わいでクセもないから、誰でも口に合いやすいと思うわ」

[メイン] 綾波 : 「おぉ……流石です」

[メイン] 綾波 : 「綾波、時々友達のお茶会に呼ばれるのですが……種類には疎くて」

[メイン] 綾波 : 「ん~……それなら綾波はお菓子と相性の良いアールグレイにするです」

[メイン] 刻晴 : 「なるほど……いえ、私も趣味で飲む程度でそこまで詳しいわけじゃ……」

[メイン] 刻晴 : 「わかったわ。じゃあ私はアッサムをお願い」

[メイン] ユージン : 「かしこまりました、少々お待ちください」

[メイン] 綾波 : 「よろしくお願いしますです」

[メイン] 綾波 : (ぺこりと頭を下げる)

[メイン] 刻晴 : 「………」

[メイン] 刻晴 : 「…よ、よろしく頼む…わね」

[メイン] GM : そう言うとキッチンへと歩いて行きました

[メイン] 綾波 : 「……ふぅ。」

[メイン] 綾波 : (窓の外を見ると、穏やかな街並みが見える。静かで落ち着いた景観は、何処かこの喫茶店とマッチしているように感じる)

[メイン] 綾波 : 「このクッション……柔らかいです。部屋のクッションシリーズに加えたいぐらい……です」

[メイン] 刻晴 : 「もう……既にたくさん持ってるじゃない、この間のぬいぐるみ型のは運ぶの大変だったわよ」

[メイン] 刻晴 : (……こうやって落ち着いた店で一息つけるのも久々ね……思えば、こうやって綾波と穏やかに会話するのも暫く振りな気がするわね)

[メイン] 綾波 : 「あのおふにゃ型のやつはお気に入りなのです……あれに抱きつきながらだと快眠快眠なのです」

[メイン] 綾波 : 「今度刻晴さんにもお貸しするです?」

[メイン] 刻晴 : 「そうなの?……うぅん、じゃあ是非使わせてもらおうかしら」

[メイン] ユージン : 「お話中失礼します、紅茶と軽食をお持ちしました」

[メイン] 綾波 : 「……! どうもです……!」

[メイン] 刻晴 : 「……感謝するわ。本当にお代は構わないの?」

[メイン] ユージン : 「半分ほど店長の趣味なんですよ、この店は」

[メイン] ユージン : 「綾波様はアールグレイで、刻晴様がアッサムですね」

[メイン] GM : 綾波の前には柑橘の絵付きのティーセット、刻晴の前には和風の絵が描かれた青色のティーセットがそれぞれ置かれました。

[メイン] ユージン : 「それと、こちらがりんごのタルトです……取り皿もふたつ用意しましたので、お使いください」

[メイン] 刻晴 : (…ふぅん。庶民的な雰囲気の店構えに見えて、客人をもてなす心を忘れないこだわりが感じられるわね)

[メイン] 綾波 : 「可愛い蜜柑がついてるです……早速取り分けるです、刻晴さんっ」

[メイン] 綾波 : (わくわくを抑えられない)

[メイン] 刻晴 : 「…あ、ええ。…その、ありがと」

[メイン] 綾波 : 「……?どうもです」

[メイン] 綾波 : 「何か刻晴さんのお役に立てていたら嬉しいのです」

[メイン] 刻晴 : 「………………。そうね、私にも手伝えることがあったら何でも言って頂戴」

[メイン] 刻晴 : (………いや、肩肘張りすぎなのかしら…綾波みたいに、私ももっと純粋に楽めたら…)

[メイン] 綾波 : 「……。刻晴さん、取り分け終わったのです。どうぞです」

[メイン] 刻晴 : 「あ……ええ、この店のお手並み拝見と行こうじゃない」

[メイン] 綾波 : 「それでは、頂きますなのです」

[メイン] 刻晴 : 「いただきます」

[メイン] 綾波 : (右手にカップを持ち、口元で傾けて一口まず味を楽しむ)

[メイン] 刻晴 : 「………」
同じようにカップに口をつけながら、隣に座る綾波の様子をぼんやりと観察する。

[メイン] 綾波 : 「……?」

[メイン] 綾波 : (視線を感じて、刻晴の方を振り向く)

[メイン] 綾波 : 「どうかしたです、刻晴さん?」

[メイン] 綾波 : 「……もしかして」

[メイン] 綾波 : 「アールグレイの味が気になったり……です?」

[メイン] 刻晴 : 「…え、ううん……別に、綾波に何かあるわけじゃ…」

[メイン] 刻晴 : 「…!」

[メイン] 綾波 : 「……あまりお行儀は良くないのですが」

[メイン] 綾波 : 「今ここは2人の空間なのです」

[メイン] 綾波 : 「2人の秘密の空間というやつなのです」

[メイン] 刻晴 : 「…え、ええ……」

[メイン] 刻晴 : 自身を見つめる綾波から、目を逸らせないでいる。

[メイン] 綾波 : (じっと刻晴を見つめ続ける。喫茶店の中は静寂に包まれている)

[メイン] 綾波 : 「……ふふ」

[メイン] 刻晴 : 「……い」

[メイン] 刻晴 : 「……いいわ、私も綾波が折角いろんな味を楽しめたらと思って違う味を注文したことだし…ね」

[メイン] 刻晴 : それだけ振り絞って、何とか誤魔化す。

[メイン] 綾波 : 「ではどうぞです。刻晴さん」

[メイン] 綾波 : (カップを刻晴の方に差し出す)

[メイン] 刻晴 : 「………!」

[メイン] 刻晴 : 「……えっと…」
カップをそのまま握り、持ち上げる。…必然的に、綾波が飲んでいたのと同じ向きで。

[メイン] 刻晴 : 緊張感と困惑を抑えられず、逃げるようにちら…と綾波の方を見る。

[メイン] 綾波 : (じぃ……っとその動作を見つめ続ける。その時、刻晴の瞳に気付く。)

[メイン] 綾波 : 「刻晴さんなら大丈夫なのです。誰にでも良い……という訳ではないのですよ?」

[メイン] 刻晴 : 「………っ…!」

[メイン] 綾波 : (口元を綻ばせ、微笑みを浮かべる)

[メイン] 刻晴 : …自身の喉から、無意識にごくん…と唾を飲み込んだ音が聞こえる。

[メイン] 刻晴 : ……それから、宙に釣られたままのカップを自身の口元に近づけ━━

[メイン] 刻晴 : ……一口。

[メイン] 刻晴 : ……その一口に、まるで身体中をぽかぽかと解されるような……そんな感覚。

[メイン] 刻晴 : 「…ええ、とても美味しい。……しかも、何か味わったことのないような…不思議な感じ」

[メイン] 綾波 : 「それなら良かったのです。不思議な感じ……」

[メイン] 綾波 : 「2人きりというのが、そうさせているのかもですね?」

[メイン] 刻晴 : 「…ふふ、そうかもね。実際、こうして二人でゆったりと時間を過ごすのも…何時振りだったかしら」

[メイン] 刻晴 : 「……私ったら、このままずっとこの時間が続いてほしい…だなんて、心のどこかで思ってしまっている気さえするわ」

[メイン] 綾波 : 「緊張がほぐれてきたようで、何よりなのです」

[メイン] 刻晴 : 「う……見透かされていたのね、やっぱり」

[メイン] 綾波 : 「起きたら知らない場所なので緊張するのも当然……です」

[メイン] 綾波 : 「綾波は、隣に刻晴さんが居たから安心できたというだけなのです」

[メイン] 刻晴 : 「……ああ、もしかして……私のことを想って…?」

[メイン] 刻晴 : (……私は、自分がしっかり綾波のことを守らないと…って、気を張っていたはずなのに…それなのに、本当に想われていたのは私の方……だなんて)

[メイン] 刻晴 : 「……優しいのね、本当」

[メイン] 綾波 : 「……どうも、です」

[メイン] 綾波 : (顔を少し赤らめ、照れくさそうにそう答える)

[メイン] 刻晴 : 「……そうだ、飲むでしょ?……お返し」

[メイン] 刻晴 : す…と、綾波の前に自身のカップを差し出す。

[メイン] 綾波 : 「良いのですか?」

[メイン] 刻晴 : 「悪かったりしたら、さっきの私が居た堪れなくなるわよ」

[メイン] 綾波 : 「ふふ、それもそうなのです」

[メイン] 綾波 : カップを指でつまみ、湯気の立つ紅茶を見つめる。

[メイン] 綾波 : アッサムの濃厚な甘い香りを楽しむ。……そして。

[メイン] 綾波 : 「いただきます、なのです……」

[メイン] 綾波 : すぅ……

[メイン] 綾波 : 音を立てず、一口入れると……口の中に独特な甘さが広がる。

[メイン] 綾波 : その甘さは、アッサム特有の味もあるが…………。

[メイン] 綾波 : 「……とても美味、です」

[メイン] 刻晴 : 「……それは良かったわ。選んで正解だったわね」

[メイン] 綾波 : 「刻晴さんのセンスが光るのです……!」

[メイン] 刻晴 : 「ふふっ…まぁ、このくらいのことであればお安い御用よ」

[メイン] 刻晴 : 「……というより、何よ……はぁ、私だけ下手に緊張しちゃったのが馬鹿みたいじゃない」

[メイン] 綾波 : 「ふふ、今からリラックスしましょう……です」

[メイン] 綾波 : 「まずはりんごタルトの甘さで回復回復、なのです」

[メイン] 刻晴 : 「ええ……そうね」

[メイン] 綾波 : 「では早速……」

[メイン] 綾波 : フォークでタルトを果実毎に分け、まずは一口入れる。

[メイン] 刻晴 : フォークを手に、小さいタルトの1ピースを作って……同じように口へ運ぶ。

[メイン] 綾波 : 林檎の爽やかな甘み、砂糖細工の頭がとろけるような甘みが混ざり合う。

[メイン] 綾波 : 「タルトの生地もサクサクしていて絶妙……」

[メイン] 刻晴 : ほのかに口内に残る紅茶の残り香に、タルトのしとやかな甘みが組み合わさり……お互いを引き立て合う。

[メイン] 刻晴 : 「……ふふっ、あなたレポーターの才能あるんじゃない?」

[メイン] 綾波 : 「むぅ、レポーターですか……」

[メイン] 綾波 : 「よく砂糖に漬けられた林檎が、程よい食感を生み出している……です」

[メイン] 綾波 : 「……なんて」

[メイン] 刻晴 : 「……うん、なんというか自然な表現で……私が感じて言葉にできないことをありありと醸し出してくれているみたいで」

[メイン] 刻晴 : 「憧れるわね……そういうの」

[メイン] 綾波 : 「言葉に出来ない……ですか」

[メイン] 綾波 : 「綾波は」

[メイン] 綾波 : 「……どんな表現でも、刻晴さんの言葉も聞いてみたい……です」

[メイン] 刻晴 : 「……わ、私の…?」

[メイン] 綾波 : 「はい」

[メイン] 綾波 : 「綾波と刻晴さんは、何かを見て味わって、想う事が違うです」

[メイン] 綾波 : 「だからこそ、刻晴さんの言葉が聞きたいのです」

[メイン] 刻晴 : 「……わかったわ。期待に応えられるかわからないけれど……ええと」

[メイン] 刻晴 : 「……タルトそのものが与えてくれる彩り豊かな味付け、食感もさることながら、一緒に味わう紅茶とのコンビネーションもお互いを邪魔し合わないもので……よく研究された微妙なバランスから成り立っているものだと感じるわ」

[メイン] 刻晴 : 「……それと、こういった感覚は初めてで……うまく表現できるかわからないけれど」

[メイン] 刻晴 : 「……あなたとこの喫茶店で二人で味わうこの味だから……ということに、なんというか……意味を感じる……と言ったらいいのかしら……ええと」

[メイン] 刻晴 : 「……いや、やっぱり最後のは忘れてちょうだい」

[メイン] 綾波 : 「……刻晴さん、ちょっと緊張したです?」

[メイン] 刻晴 : 「……したわよ。何なら今もしてるわ」

[メイン] 綾波 : 「……それなら」

[メイン] 綾波 : 椅子の向きを変え、刻晴の方を振り向く。

[メイン] 刻晴 : 「……?」

[メイン] 綾波 : 「手、握るです」

[メイン] 綾波 : 「信頼出来る人の体温を感じれば、心は落ち着く……です」

[メイン] 綾波 : 「綾波が信頼出来る人なら……ですが」

[メイン] 綾波 : 少し不安そうに、刻晴を見つめる。

[メイン] 刻晴 : ……まばたきを一つ。

[メイン] 刻晴 : 言葉を聞いて、すぐに手を握ろうとして……すんでのところで手が止まる。

[メイン] 刻晴 : 恥ずかしくて……自分の今の体温が、脈動が……目の前の相手に全て伝わってしまうのが。

[メイン] 綾波 : 「……綾波は」

[メイン] 綾波 : 「刻晴さんの恥ずかしいという気持ちも、知りたいのです」

[メイン] 綾波 : 「知る事ができれば、一緒にその恥ずかしさを共有する事も……出来るのですから」

[メイン] 綾波 : 「……綾波の心臓の音、聴こえてたら恥ずかしいのです」

[メイン] 綾波 : 「……」

[メイン] 綾波 : 顔を真赤にする。

[メイン] 綾波 : 眼を伏せ、手だけを差し出す。

[メイン] 刻晴 : 「……ふふ……っ」

[メイン] 刻晴 : 「……何よ。考え方は少しずつ違っても……今の気持ちは一緒じゃない」

[メイン] 刻晴 : ゆったりと、その手を握り返す。

[メイン] 刻晴 : ……たぶん、今の自分の顔も同じように真っ赤なんだろうな……なんて、考えながら。

[メイン] 綾波 : その時、刻晴の温かい体温を感じる。

[メイン] 綾波 : 顔を上げると、そこには頬を真紅に染めた刻晴の顔があった。

[メイン] 綾波 : 「……心を落ち着けるなんて言って」

[メイン] 綾波 : 「こんなに鼓動を早くしてしまう……」

[メイン] 綾波 : 「でも」

[メイン] 綾波 : 「こうして一緒に居れば……」

[メイン] 綾波 : 「いつか、それが当たり前になって……心地良くなる……です」

[メイン] 綾波 : 「そして、今は……」

[メイン] 綾波 : 「このドキドキする感覚も、楽しみたいのです」

[メイン] 刻晴 : 「……ええ」

[メイン] 刻晴 : 「……この感覚は、きっと……今この瞬間でしか……味わえないものだから」

[メイン] 刻晴 : 「……だから、もっと聞かせて。」

[メイン] 刻晴 : 「綾波のこと、綾波の気持ち、綾波の心臓の音……ひとつひとつを」

[メイン] 綾波 : 「……はい。幸い時間はたっぷりあるのです。それに……」

[メイン] 綾波 : 「今は2人だけ、なのですから……」

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 綾波 : その後、2人は今まで以上に自らの事を打ち明け、仲を深め……

[メイン] 綾波 : 「……そろそろお暇の時間ですが……」

[メイン] 綾波 : 「刻晴さん、一緒に店員さんを呼んでみたいなのです」

[メイン] 綾波 : 「一緒に声を出せば、その分よく聞こえる……なんて」

[メイン] 刻晴 : 「そうね……って、えっと……?」

[メイン] 刻晴 : 「い、いいけれど……う、じゃあ……その前に……少し」

[メイン] 刻晴 : 綾波の方を見ないまま、片手を差し出す。

[メイン] 刻晴 : 「……手、握ってよ。恥ずかしいから」

[メイン] 綾波 : 「……刻晴さん」

[メイン] 綾波 : 「良ければちょっと立ってもらえるです?」

[メイン] 刻晴 : 「……え?」

[メイン] 綾波 : 「いいからいいから。なのです」

[メイン] 刻晴 : 虚をつかれ、言われるままにその場に立ちあがる。

[メイン] 綾波 : 「…………」

[メイン] 綾波 : 差し出された手に。

[メイン] 綾波 : 両腕を絡めて身体を預ける。

[メイン] 刻晴 : 「………………!」

[メイン] 綾波 : 「……こうすれば。もっと刻晴さんを感じられる……です」

[メイン] 刻晴 : ……腕全体から、綾波のやわらかで……ほんのりと温かい感触。

[メイン] 刻晴 : ……ほんの少しでも力を抜けば、気持ちが飛び出してしまいそうで。

[メイン] 刻晴 : そちらを振り返ることもできないまま……立ち尽くす。

[メイン] 綾波 : 「今は……大丈夫なのです。」

[メイン] 綾波 : 「ただ、受け入れてくれるというのが……とっても嬉しい」

[メイン] 綾波 : 「これから一緒に、少しずつ慣らしていきましょうね、刻晴さん」

[メイン] 刻晴 : 「…………はい……っ」

[メイン] 刻晴 : ただ溢れる、ぎこちない声。

[メイン] 綾波 : 「大丈夫です。綾波はいつでも隣にいますから」

[メイン] 刻晴 : 「………………うん。ありがと……綾波」

[メイン] 綾波 : 「……お礼を言いたいのはこちらの方……なのですっ」

[メイン] 綾波 : 「……それではそろそろ店員さんをお呼びしましょうか」

[メイン] 綾波 : 「いっせーので行きますです、用意はいいです?」

[メイン] 刻晴 : 「え……?……あ、えっと……うん?」

[メイン] 綾波 : 「いっせーの……」

[メイン] 綾波 : 「店員さん!」

[メイン] 刻晴 : 待って、心の準備が━━

[メイン] 刻晴 : 「てっ、店員さん……っ!」

[メイン] ユージン : 「ふふ、なんでしょうか」

[メイン] 刻晴 : 「……」

[メイン] 刻晴 : 「……コホン、えっと……会計をお願いしたい……のだけれど」

[メイン] 綾波 : 「刻晴さん刻晴さん」

[メイン] 刻晴 : 「うん?」

[メイン] 綾波 : 「お会計は無料……ですっ」

[メイン] 刻晴 : 「……あ」

[メイン] ユージン : 「ええ、お会計は不要です」

[メイン] 綾波 : 「ですから、今は……」

[メイン] 綾波 : 「今日は素敵な時間をありがとうございました……です」

[メイン] 刻晴 : 「……ん……ええ、そうね」

[メイン] 刻晴 : 「……最初、失礼な態度をとって悪かったわ。良ければ、また来させてもらうわね」

[メイン] ユージン : 「楽しんでいただけたのなら何よりですよ。
 ……ああ、店長から贈り物がありまして」

[メイン] GM : 店員が取り出したのは一輪の青い百合

[メイン] ユージン : 「青色の百合は存在しないので花言葉も同様に存在しない……
 しかし存在したのならば、新たな花言葉も生まれる」

[メイン] ユージン : 「……ようするに、貴女方の未来に幸あれ、だそうです」

[メイン] GM : 百合をふたりに差し出す

[メイン] 綾波 : 青の百合を、両手で大事に受け取る。

[メイン] 刻晴 : 「……私たちの、未来……」

[メイン] 刻晴 : (……あ)
自らの腕を離れた身体に、名残惜しさとわずかに残る温もりを感じる。

[メイン] ユージン : 「では、またのご来店をお待ちしております」

[メイン] 綾波 : 「……もう」

[メイン] 綾波 : 「ほら、百合の花……一緒に居た方が綺麗です」

[メイン] 綾波 : そうして、刻晴の持つ青い百合に自分の百合を近づけ……

[メイン] 綾波 : 「……今は百合の花を持つので片腕でしか繋がれませんが」

[メイン] 綾波 : 「でも、もう片腕の分はこの百合の花が補ってくれるです」

[メイン] 綾波 : 「この花は、今日の思い出そのもの……なのですから」

[メイン] ユージン : 頭の中を一杯にする複雑で瑞々しい、百合の甘い香り。
あなたたちの意識はゆっくりと睡魔の中へと溶けて行きます。

[メイン] 刻晴 : 「……綾波……」

[メイン] 刻晴 : 片手に取った百合からも、綾波の気配が感じられるような気がして。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 目が覚めると、あなた達はほんの10分だけうたた寝をしていたようでした。

[メイン] GM : 微睡の中で見た白昼夢だったのでしょうか。

[メイン] GM : しかし、それを否定するかのように、あなたの手に握られていたのは、一輪のみずみずしい青い百合です。

[メイン] GM : 夢のような、しかしただの夢ではなかった、そんな不思議な出来事でした。

[メイン] GM :

[メイン] 綾波 : 「……晴さん、刻晴さん」

[メイン] 刻晴 : 「……ん……」

[メイン] 綾波 : 「どうもです」

[メイン] 刻晴 : 「…………っ……!……ど、どうも……」

[メイン] 刻晴 : (近いのよ、だから……)

[メイン] 綾波 : 両手で刻晴を揺さぶっていた為、手にはあの百合の花は……無い。

[メイン] 刻晴 : 「……あれ……私、寝ちゃってた……?もしかして……」

[メイン] 刻晴 : 辺りをきょろきょろと見回す。

[メイン] 綾波 : ……近くのテーブルの上には。

[メイン] 綾波 : 純白の花瓶に生けられた、蒼い百合の花が1輪。

[メイン] 刻晴 : 「……いい夢を見ていたのよ。なぜだかとても落ち着かなくて、それでいてとても落ち着けるような……そんな、不思議な夢を」

[メイン] 綾波 : 「奇遇です……綾波も、とてもドキドキして、だけどとっても心地よい夢を……見ていました」

[メイン] 刻晴 : 「……ふふっ」

[メイン] 刻晴 : 自身のポケットにこぢんまりと刺されたもう一輪の蒼い百合に気付くのは……もう少し先のこと。

[メイン] GM : END

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM : 宴だァあああ〜〜〜!!!

[メイン] 綾波 : 宴なのです

[メイン] 刻晴 : 宴よ〜〜〜〜!!

[メイン] 刻晴 : あー……すごい緊張した……

[メイン] GM : 進行グダグダだったのは大目に見てくれ^^

[メイン] 綾波 : 進行は良かったと思うのです

[メイン] 刻晴 : お疲れ様よ、スムーズな進行助かったわ
二卓同時進行だったりするのかしら

[メイン] GM : いや…久々すぎて慣れてないだけだな

[メイン] 綾波 : 百合喫茶いつぶりなんだろ……

[メイン] 刻晴 : 存在は知ってたけど初参加ね……
一時期は百合需要過多でタイマン自体珍しかったから

[メイン] GM : 割と喫茶店はカジュアルに立ってたと思ってんすがね
タイマンだから見てる分には安心感あるだろ

[メイン] 綾波 : タイマンは相手の事をよく見る事が出来るので好きなのです

[メイン] GM : わかる

[メイン] 刻晴 : 今回綾波が終始うまくリードしてくれて安心感あったわ……

[メイン] GM : リード上手い相手だとすごいありがたいと思ってんすがね

[メイン] 綾波 : うわあり!なのです
刻晴さんも反応が良くてとても楽しかったのです

[メイン] 綾波 : 投げたボールを良いところに返して貰えるとはりきるです

[メイン] 刻晴 : うわありよ!
わかるわ……

[メイン] GM : 濃厚濃厚してなかったのも珍しいだろ
おれはプラトニックな恋愛も好きだ!

[メイン] 綾波 : 濃厚しても良かったけどコンプラが大事なのです

[メイン] 刻晴 : 隙があればもう少し攻めるのも考えたけど思った以上に自分のCPとしてのRPが恋愛弱者すぎたわね……

[メイン] 刻晴 : 抱き返したりするタイプじゃないなって感じて踏み止まっちゃったわ

[メイン] 綾波 : 綾波は相手の描写濃度に合わせるです

[メイン] 綾波 : 濃厚に持っていくのもアリだけど……今回はこのまま淡い感じで持ってくのが良さそうだと思った

[メイン] 刻晴 : わかるわ……

[メイン] GM : わかる

[メイン] GM : そろそろログ取るんすがね…